噂話

噂話はそこら中にあったけれど、
大抵がみんなの暇つぶしの
種にしか過ぎなかった。
話すことが特別ないから、
じゃあ誰かの噂話でもしましょうか、
そんな感じだったし、
その話の真相を
本人に直接聞くこともしなかった。

みんな「本当のこと」には興味がないのだ。
大切なのは「話すこと」があるってこと。
みんな「話すこと」を欲しがる
モンスターみたいだった。
一度それを発見したら、みんなで噛み倒した。
そして味がなくなったら、それは
いつか別の何かにとって代わられるのだった。

(まく子、西加奈子)

言葉は、
貴重品にもなれば、
消耗品にもなります。

使う人間、持っている人間の
扱い方次第。そして、
自分と同じ扱い方を
誰かと共用したいと願っても、
実際、他人には強要もできない。
だからといって、
共用することをあきらめて、
ただ、言葉を持っているだけでは、
これまた、意味がないんだべな。
言葉って、難しいな。