幸福

仕事というものを、
誰かを幸せにする行為だと
思い込んでいた。
他の誰かを幸福にする代わりに
自分が社会で生きていくことを
許されるのだ、と。

だが、違うかもしれない。
幸福だの不幸だのというのは
当人の感覚で判断するもので、
他人がジャッジできるものではないだろう。
「ありがとう」だの「幸福」だのの内情を
こちらが勝手に推察し、
本当の「ありがとう」、
本当の「幸福」だけを求め、
社会に役立つ自分に
酔おうとしたばかばかしさよ。

(美しい距離、山崎ナオコーラ)

道路の表面に、数センチほど積もる雪は、
いろんなものを隠してくれるから、
寒さを除けば、きれいと言えばきれいだ。
でも、それ以上積もれば、同じ雪でも、
面倒臭くなる。人生の何かにも似ているかもな。