嫉妬

嫉妬という感情は何のために
人間に備わっているのだろう。
なにかしらの自己防衛として
機能することがあるのだろうか。
嫉妬によって焦燥に
駆られた人間の活発な行動を促すためだろうか、
それなら人生のほとんどのことは
思い通りにならないのだから、
その感情が嫉妬ではなく
諦観のようなものであったなら
人生はもっと有意義なものになるのではないか。

自分の持っていないものを欲しがったり、
自分よりも能力の高い人間を
妬む精神の対処に追われて、
似たような境遇の者で集まり、
嫉妬する対象をこき下ろし
世間の評価がまるでそうであるように
錯覚させようと試みたり、
自分に嘘をついて感覚を麻痺させたところで、
本人の成長というものは期待できない。

(劇場、又吉 直樹)

ただただ前を向いて、
生きていたいと思っていても、
横が気になったり、上が気になったり、
後ろが気になったりして、
なかなか前へ進めない。それが人間だ。
前に進めるって、意外とすごいことだ。