おれたちの顔は、ほんとうは誰のものなんだろう。自殺はいけないことだと、みんながいう。命は自分だけのものじゃないからな。だったら、顔は誰のものだろう。自分のもの?愛する誰かのもの?あるいは命と同じように自分のものであり、おれたちが属する社会全体のもの。極めてプライベートでありながら、社会的な共有財産で、しかも日々変動する美の基準を反映する瞬間的な確定値?なんだか円ドルの為替マーケットみたいだよな。

(IWGP12 西一番街ブラックバイト、石田衣良)