可能性

ずっと、可能性を広げることが豊かさなのだと信じて生きてきたのである。
 しかしそれは本当に豊かさだったのだろうか。可能性を拡げると言いながら、実際には欲を暴走させて不満を背負いこんできただけではなかったのだろうか。
 可能性を閉じて生きる。
 私はその可能性にかけてみようと思っているのである。

(寂しい生活、稲垣 えみ子)