中立的な情報

例えば、雑誌などで「ダイエット成功例」を見たときに、それが「中立的な情報」だと思う人は多いと思います。きれいにやせた人が、「食べ物に気をつけて、毎日の運動習慣を大切にしています。おいしいと思うのは、身体によい、低カロリーのものばかりです。そんな自分が大好きです。精神的に満たされているので、食べ過ぎてしまうこともありませんね」と言っているような記事を読んだりすると、その「事実」を前に、羨望をかき立てられると同時に、「どうしよう、自分はそんなふうにできない」と思って焦ったり、できない自分を責めたりするものです。まさにコントロール感覚を損ねる典型的な情報です。
 しかし、それが本当に「中立的な情報」なのか、と言うと、やはり違うのです。「実例」ではあっても、「何かアピールするために作られた情報である」ということは忘れてはならない事実です。本当の「実例」であれば、その人がもともとどういう体質であるか、どういう環境で育ってきた人なのか、実生活の全体がどうなっているかなど、こちらが知りたい情報も提供されるべきです。知りたい事実が全部明らかになって初めて「実例」なのです。
 でも、雑誌の小さな記事では、そこにあるのは恣意的に「切り取られた」現実であったり、ときには「美化された」現実だったりするものです。

(ダイエット依存症、水島 広子)