何層

人の心は一筋縄ではいがねのす。人の心には何層にもわたる層がある。うまれたでのあがんぼの目で見えている原基おらの層と、後から生きんがために採用したあれこれのおらの層、教えてもらったどいうか、教え込まされたどいうか、こうせねばなんね、ああでねばわがねという常識だのなんだのかんだの、自分で選んだと見せかけて選ばされてしまった世知だのが付与堆積して、分厚く重なった層があるわけで、つまりは地球にあるプレートどいうものはおらの心にもあるのでがすな。おらしみじみ思うども、何事も単品では存在しね。必ず類似模倣するものがあるわけで、地球とおらも壮大な相似形を為すのでがす。

(おらおらでひとりいぐも、若竹千佐子)