逃げこんでいる

子どものためにできる限りの努力をした、などという人に会うと、この人は、解決するはずのない努力をし続けることによって、何かの免罪符にしているのではないか、と思わされることがある。それは、何の努力もしないで、ただそこにいる、ということが恐ろしいばかりに、努力のなかに逃げこんでいるのではないか、と感じられるのである。努力などせずに、子どものために父として母として、そこにいること、これは凄く難しいことだ。

(こころの処方箋、河合隼雄)