差別、偏見

わたしのいちばんの望みは、差別をなくすことではありません。人が人である限り、差別はなくならないだろうと、昔も今もわたしは思っています。これはあきらめではありません。この世の真理というもの。あるいは、人間の本質でしょうか。人は常に、自分を他者と比較しながら自己を確立していきます。自分と他人を比較するとき、そこに、たとえ小さなものであっても、差別意識がまったくない、とは言い切れません。むしろ、ない方が不自然でしょう。偏見も同じです。人は、自分にとって未知な存在、理解しがたい存在に対して、まず偏見を抱きます。

(曲がり木たち、小手鞠るい)