時の川

人は誰もが独り、時の川をボートで漕いで進んでいる。だから未来は常に背後にあり、見えるのは過去ばかりだ。川沿いの景色なら、遠ざかれば自然に視界から消えてゆく。それでも消えないものは、目に見えているのではなく心に焼きついているのだ、と。

(昨日がなければ明日もない、宮部みゆき)