出会う

たくさんの言葉を聞き洩らし、たくさんの合図を通り過ぎてきた。たったひとことから得られる情報など、取るに足らない量だろう。だから正確にいえば、わかった、という閃きも錯覚なのかもしれない。それでも、私たちはそこで何かをつかむ。大切なことを知る。ほんとうは私たちが手にした以外の部分が重要だったとしても、どこかに何が書かれていたとしても、いちばん知りたいことに私たちは出会うんだと思う。

(窓の向こうのガーシュウィン、宮下奈都)