時間

時間というのは、必ずしも杓子定規な時間どおりに進むものではない。とりわけ生死にかかわる特殊な状況下においては、その窮地に陥った個々の欲するところに応じて、臨機応変に伸びたり縮んだりもしてくれる。是非にと請われれば止まることもあるだろう。そうした伸縮自在のしなやかさこそが、時間本来の身上なのではなかろうか。
 すなわち-そう、時として、時は時を超越する。

(出会いなおし、森絵都)