観察

誰でも、ああでもない、こうでもないと、いろいろ考えるはずである。だが、考えていることは外部からは観察できないから、他者が何をどのように考えているのかはわからない。現代の科学技術を駆使しても、まったく知る方法はない。
 ただ、人は考えたことをなんらかの行動に移すことが多いため、その行動をよく観察していれば、部分的にだけれど考えた内容が推測できる。そんなふうに、他人の考えを想像するのも、頭が考えているからできることだ。

(悲観する力、森博嗣)