恐い

おそらく、自動車の運転などでも同様で、「運転が恐い」と感じているうちは、大きな事故は起きにくい。恐いという意識が、「悲観」を忘れさせないからだ。逆に言うと、それくらいの頻度で心配する必要がある。人間の意識は、一時に一つの対象にしか集中できない。なにかに集中すれば、ほかのものを忘れてしまう。目は一所を見ることしかできず、目を逸らせば、すぐ近くにあっても見えない。また、目を開けていても、気になることを考えだすと、目の前にあるものを見ていない状態になる。

(悲観する力、森博嗣)