無駄な季節

私は、しおれた紫陽花をずっとみすぼらしいものだと思って生きてきました。
でも、そうではなかった。その、枯れた姿がまた、清々しくて美しいのです。
そして花だけでなく、葉っぱも枝も、根も、虫にくわれた跡さえ、
すべてが美しいということを知りました。
だからきっと、私たちの関係にも、無駄な季節など一切なかったと
思うのです。思いたいのです。

(ツバキ文具店、小川糸)