認知行動療法とは?

どうしても囚われてしまう「ものの見方や考え方」によって、本人や家族などの周りの人々が苦しむことがある。それを、どうにかしたいと考えるけれど、なかなか難しい場合、この「認知行動療法」を考えてみてはどうだろう。認知行動療法とは、認知と行動を変えて、つらい感情を軽減する心理療法。

最も大変なのは、囚われてしまう本人が、ほとんど自覚がないため、その本人の囚われによって、あちらこちらと動かされる人々。だいたいは、家族とかが、その対象となるだろう。つらいとか悲しいとかの感情であれば、本人の自覚となりうるが、心配だとか気になるという感情は、何度も確認したり、人を動かしたりすることになり、周りの人々が、その「迷惑」を我慢してしまえば、自覚に至らない。だから、どう自覚に至らせるか、というのが大切なポイント。

なぜ、苦しいのか?

つらい、悲しい、心配、怒り、こわい、さまざまな感情を引き起こす原因は、出来事や状況、人そのものじゃなく、頭の中の「ものの見方、とらえ方」である場合も多い。それが認知というフィルター。単に認知だけに終わり、本人が苦しむだけなら、この問題は、なかなか見えてこない。しかし、その認知で、本人が行動したり、他人を行動させようとするために、問題となってくる。

認知のクセ→感情をもたらす→行動につながる、という流れがあって、ひとつの結果を見れば、終わりそうなものだが、残念ながら...。それはなぜか。確認することで、ひとときの安心は生むものの、新たな状況になったり、自分の中で新たな考えが生まれると、また、認知→感情→行動、という流れに移る。だから、終わりが見えにくいことも多い。

自動思考とスキーマ

認知のクセというものを見つめていくと、いろいろな場面や状況でパッと瞬間的にわき起こる思考、「自動思考」が見えてくる。これは、瞬間的に出てくるものなので、いきなり消すなんていう方法は難しい。しかしながら、自分からちょっと離れて、自分の考えが見える時には、「そうか、自分は、こんなふうに考えるクセがあるんだ」と分かってくる。

そして、この自動思考のもとになっているものは何だろう?と考えてみると、基本的な人生観や価値観、信念(あるいは、どうしてもこだわる、どうしても嫌う)が見えてくる。これがスキーマと呼ばれるもので、だいたいは、生まれてから、その人が影響を受けたりして自分で形成してきていることが多い。

行動を変える

そこで、この自動思考とスキーマを見つける作業をしながら、それによって常にとってしまう行動とは別の選択をする訓練を始める。たとえば、簡単な例でいうと、以下のように。

(これまで)
ああ、間違った。もう何もかもダメだ。 → もう何もしたくない。 → 何もしない。

(変える)
間違ったけど、本当にダメなのか。 → 何が出来るか。 → まず直してみよう。

一見すると、プラス思考のように見えるが、違うところは「何もかもダメだ」という考えは本当に正しいか、と現実的に考えるところ。自動思考は、根拠なくその考えになっていることが多いので、自分の考え方に疑いをもち始められたら、少し前進。自分を嫌わず、慌てず、認知行動療法を始めてみませんか。

認知行動療法の関連サイトと書籍

認知行動療法センター 国立精神・神経医療研究センターサイトの一部。認知行動療法についての簡単な説明と、「こころの健康」サイトの紹介など。

認知療法活用サイト 大野裕医師の監修。「こころのスキルアップ・トレーニング」やメンタルヘルスの基礎知識、マンガでの療法紹介。チェックシートあり。

小さなことが気になるあなたへ OCD(強迫性障害)の可能性がある方に向けたサイト。そのなかの「OCDの治療法」の一つとして、認知行動療法が紹介。

図解 やさしくわかる認知行動療法
認知(考えかたのクセ)を変えると、つらい気持ちがラクに。日常の落ちこんだ気分にも、うつ病や不安障害にも効く。気軽にとり組めるチェックシート付き。大変わかりやすい。
はじめての認知療法 (講談社現代新書) 大野 裕
「こころのクセ」を知る。気分と行動の悪循環から抜け出す。呼吸法、睡眠法で身体をリラックスさせる。―認知療法への入門書。
認知行動療法のすべてがわかる本 (健康ライブラリーイラスト版)
認知行動療法の丸わかり版。考え方・治療の流れ・受診の仕方を解説。広く浅く読みたい方へ。

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