パーソナリティ障害

いろいろな病名のことを調べ、
それらが分かってくると、
結局のところ、病名なんて、
どうでもいい、という気もしてくる。

今回は、パーソナリティ障害の本を、
いろいろと借りてきて、読んでみた。

順に、少し引用する。

自己愛性パーソナリティ障害のことがよくわかる本


パーソナリティ障害は、ものごとや相手の事情を察して共感することができないという特徴があります。けれども、なかには個性として「冷たい人」もいます。じつは個性と障害とを判別するのは、たいへん難しいことなのです。
 もっとも考慮すべきは、おだやかで安定した社会生活を営むことができない点です。パーソナリティがいちじるしくかたよって固定しているために、本人や周囲の人に苦痛を与えたり、生活に支障をきたしている状態が続いている場合には、もはや「個性」とはいえないでしょう。

現れ方によって大きく二つのタイプに分けられる。
 周囲を過剰に気にするタイプ:気にしているのは他社の目にうつった自分の姿です。内気にみえますが、尊大な自己イメージをもっています。
 周囲を気にかけないタイプ:極端に自己中心的。他者からの賞賛を求めますが、他者への配慮はなく、傲慢・不遜な態度が目立ちます。

自己愛性パーソナリティ障害の人が描く自分の姿は、二極分化しています。ひとつは、人から賞賛を集めるような理想の自分、もうひとつは、無能でまったく取り柄のない、ダメな自分です。
 理想の自分のイメージを保てる人間は、まわりの人の気持ちはどうあれ、本人は万能感にあふれ、いききと過ごすことができます。
 問題があらわになるのは、現実が本人の思いどおりにいかなくなったとき。自己イメージは反転し、自己評価は極端なまでに低下していきます。
 こうなってはじめて、自己愛性パーソナリティは「障害」として現れてくるのです。

客観的にみて高い能力をもっている場合は問題化しにくい。...
高い資質や才能は、他人とのかかわりを必要としないでいられる逃げ場となる。

幼い未熟な自己愛を満たす「共感」を得られなかったために、自己愛の成熟が阻まれたことに原因があると考えます。
 共感とは、自分のしたことをみてほしくて、誇らしげに振り返る子どもに、「すごい!」と賞賛を送ったり、子どもの夢物語を受け止めたりするようなことです。
 ただし「育て方に問題があった」というだけでは片づけられません。子どもが共感を十分に得られない理由もまた、いろいろだからです。

治療法はオーダーメイド。マニュアルはない。
パーソナリティにかかわる障害であるため、これといった治療方法が確立しているわけではありません。患者さん一人ひとりが違うように、治療法もその人に合わせて選択していきます。

性格や気質といったものから成り立つパーソナリティを変えることなどできないのではないか、と思う人もいるでしょう。
 たしかに短時間での劇的な変化は期待しにくいのですが、だいたい一年くらい治療を続ければ改善のサインがみられます。個人差はありますが、年単位での治療になると考えておきましょう。

危機の背後にある自己愛性パーソナリティ障害の現れ方は、二つのタイプに大別できますが、「理想の自己」と「無価値な自己」の間でゆれている点では同じです。
 周囲を気にかけないタイプの人は、当面の危機を乗り越えさえすればよいと考える人も少なくありません。しかし、本当の意味で危機を解消するためには、背後にあるパーソナリティの問題に気づき、安定した自己を獲得しようと自ら取り組むことが不可欠なのです。

患者さんの心には、「こんな危機が起きたのはまわりのせい」という思いがあります。自分のパーソナリティに問題があるなどとは考えていないのがふつうです。
 医師がこうした患者さんの思いを受け止めることなしに、いきなり「あなたは自己愛性パーソナリティ障害です」などと告げることはまずありません。今後の治療を進めていくうえで、医師と患者さんがうまくいかなくなるおそれがあるからです。

自己愛性パーソナリティ障害の患者さんは、医師の態度や服薬中の人間関係など、薬効作用以外の要素で状態が変化しやすく、薬の本当の作用や副作用が見定めにくい場合もあります。

患者さんの家族もまた、自己愛の問題をかかえていることが少なからずあります。自己愛の病理は家族の関係性のなかで育まれていくものであり、煮詰まった家族関係は、家族メンバーそれぞれに影響を与えるものです。
 こうした関係性の改善をはかることで、家族がもつ問題解決の力を高めようとするのが、家族療法の目的です。
 不健康な自己愛を生んだ「犯人さがし」をしようというわけではありません。むしろ、家族は治療の最大の協力者と考え、いろいろな家族療法の知識を応用して家族面接をおこなうのが実践的です。

患者さんの主張には、もっともな部分もあるかもしれません。だからといって、これから先の自分の人生の責任をだれかに全部押しつけることはできるでしょうか?「自分の人生は自分のもの」「自分を取り戻せるのは自分しかいない」と覚悟を決めたとき、本当の治療はスタートするのです。

家族は、治療のなかで大きな役割を果たす力をもっています。「私のせいだ」と自分を責めるよりも、患者さんのためになにができるか、考えてみてください。

本人の能力の高さや社会的な成功ではなく、本人と他者との「関係性」に着目します。他者の気持ちへの共感や思いやりなどが欠けている点が自己愛性パーソナリティ障害の大きな特徴です。
 障害の特徴を知ると、悩みの種になっている言動が、たんなるわがままや気まぐれとは違うことが理解できます。
 家族それぞれが、自分自身と互いの関係を見つめ直してみることは大切です。家族もまた自分の人生に向き合うのです。

批判や説教ではなく、共感からスタート。
身勝手な患者さんに対し、否定的な感情しかもてないでいませんか?
そんなときは、問題行動と患者さんの存在そのものを切り離してみつめてみましょう。

家族は患者さんの言動に動揺しがちです。とくに暴力や暴言には、その場しのぎの対応になりやすいもの。しかし、患者さんと適切な距離を保つには一貫した対応が大切です。

身勝手にみえても、患者さん自身、傷つき、苦しんでいることを理解すれば、共感が生まれてくるでしょう。

自己愛性パーソナリティ障害の人は、パーソナリティのかたよりゆえに生じるトラブルに苦しんでいても、「まわりが悪い」「自分は正しい」という気持ちを強くもっています。そのため、家族などまわりの人が受診をすすめても、なかなか医療機関に足を運びたがりません。
 気分の落ち込みや不眠などに苦しんでいれば、その改善を求めることはあります。しかし、その根元にあるパーソナリティ障害の治療については、「自分も人格にまで、だれかの手を借りるなんてがまんならない」と、拒否してしまいがちなのです。
 本人が受診をいやがる場合、打開策として、家族だけで相談に行くのもひとつの手です。家族が関係性を見直し、変わっていくことで、本人にも変化が現れてくるものです。
 ただし、本人抜きで本当の治療はできません。いずれ本人が受診する必要はあります。

図解決定版 パーソナリティ障害を乗りこえる! 正しい理解と最新知識 市橋 秀夫


「パーソナリティ障害」の原因は、複雑です。「環境・育て方」が問題、と考えられていますが、決してそればかりではありません。...
 原因を追究することは治療にとって重要ではありません。ときに家族が責任を感じて悩むこともありますが、その必要はありません。それよりも前向きに治療に専念することのほうが重要です。

「パーソナリティ障害」の特徴は、思春期から青年期に発症し、放っておけば30歳くらいまでには治まるということです。しかし、人生のうちで大切で楽しい青年期を悩んで過ごすことは悲しいことです。ひとりで苦しまずに、治療をして健康な社会生活に戻ることをお勧めします。

大切なのは押しつけ過ぎず、かといって迎合しないこと。つまり、一定のスタンスでつき合っていくことが基本となります。泣きつかれると、つい同情したくなりますが、深入りは禁物です。
 そして、患者さんと接するときに、問い詰めたりしないでください。「なぜそう思うのか」「なぜそんなことをするんだ」「こうしたほうがいいよ」などとたたみかけても、彼らは答えることができません。余計に自分の世界に逃げ込みたくなってしまいます。

適切な距離を保ってつき合うようにしましょう。相手も自分もほどほどに過ごせるくらいの距離を保つことが大切です。一緒にいて快適だと思うと、心を開くようになります。

[境界性パーソナリティ障害]
治療の目標は、寂しさに耐えられるようになることです。これを専門用語では、耐欲求不満性をつける、といいます。

家族に必要なキーワードは、「ダメ」「がまん」「だいじょうぶ」です。
 決めたルールを守らせること、いいなりにならず「ダメ」と言える厳しさが必要です。争いを恐れるのではなく、断固とした姿勢でルールを守らせます。
 自分のことは自分でさせる。その結果を自分で責任をとらせる。そんな「がまん」を覚えさせてください。
 そして、最も重要な「だいじょうぶ」。患者さんが不安そうなときは、「だいじょうぶだよ」と励ましてくあげてください。そして約束が守れたときは、「よくできた」と誉めてあげてください。

早くよくなってほしい。立ち直ってほしいと家族が願う気持ちは、患者さん本人にも劣らないものです。しかし、その気持ちがつい言わせてしまう言葉で逆に傷つくこともあります。
 「こんなことをいつまで続けるつもり?」「とにかくお医者さんに行きなさい」。患者さんを激励しているつもりでも、かえって自信を失わせることになります。自分を否定されることが、「もうダメだ」と思わせてしまいます。

原因にこだわると悪循環に陥る。
冷静な関係でこれからのことを考えよう。

重要なのは過去ではなく将来です。犯人探しは意味がありません。よくしようと将来を見つめることが、治療の第一歩です。

「あたたかく」「あやまる」「あいさつ」
3つの「あ」を心がけましょう。

何事も、患者さんが自分で考えるように促しましょう。家族の考えを先に提示したり、押しつけたりすることは禁物です。患者さんの言葉でいろいろなことを説明してもらうようにしましょう。

「ほどよく世話をする」感覚も必要です。子供扱いするのではなく、ときに手助けをする程度にしましょう。

治療を開始してから治るまでどのくらいの時間がかかるのでhそう。これはもちろん、個人差が大きいところですが、問題行動が収まるまでに半年~1年、治療が終わるまでに2~3年と考えてください。
 時間のかかる治療ですので、家族の方も落ち着いて、冷静に取り組まなくてはいけません。

[自己愛性パーソナリティ障害]
「自己愛性パーソナリティ障害」の特徴、問題はそれだけではありません。強い自尊心の裏に隠れた弱さこそが、彼らの「障害」といえます。
 心の中で思い描いている理想の自分が崩れることを、患者さんたちは極度に恐れます。それは自分の存在を真っ向から否定されることだからです。

 治療の目的は「等身大の自分」を作ることです。患者さんは、「万能な自分」と「まったくダメな自分」の両極端な自分しか見えません。「うまくいくときもあれば、いかないときもある」という具合に、中立な自分が見えてくるようにします。

「自己愛性パーソナリティ障害」の患者さんは、結果を早急に求める傾向があります。一歩一歩、地道に努力して少しずつよくなっていくんだ、ということを理解してもらう必要があります。
 一気に上に行くのではなく、少しずつ前に進む感覚を覚えてもらいましょう。そして、よくなっていく過程を分かってもらいましょう。
 家族に求められるのは、患者さんの努力を評価することです。50点取れたなら、その50点を誉めてあげることです。そうすれば、次に60点を取ろうという前向きな気持ちになります。
 絶対にしてはいけないのは、威圧的に叱ったり、逆にへりくだったりすることです。このような接し方をすると、患者さんは治療を拒否してしまいます。

悪循環を断ち切るためには、家族ひとりひとりが毅然とした態度をとることが大切です。しばしば、自分を変えずに相手だけ変えようと考えがちです。むしろ、自分を変えて相手を助けてあげる、と考えてください。
 どんな援助ならできるのか、ルールを決めることも大切です。患者さんの精神的な自立が目標です。目先のことより、将来を見据えましょう。