困った人

パーソナリティ障害の研究に、
凝っている昨今です。

以下、引用を載せます。

困った性格の人とのつき合いかた --パーソナリティ障害を理解して自分を守る 小羽俊士


困った性格の人に対して感じるストレスの原則的な対応法
  1. 自分と相手の間にある対人関係の境界線を明確にする。
  2. 自分の側の問題と相手の側の問題を分けて考えていく。
  3. 境界線の向こう側にある相手の縄張りを尊重し、境界線を踏み越えて、手出しや口出しをしないようにしていく。
  4. 相手との関係で、自分のできること、できないこと、すべきこと、すべきでないこと、を明確にしていく。
  5. 嫌な感情に仕返ししたくなる自分自身の気持ちにしっかり気づき、行動化しないようにコントロールしていく。

縄張りと境界線について
  1. 独自の価値観、ルール、やりかたは、自分の縄張りの中でだけ通用するものであることを理解すること。
  2. 他人の縄張りの中にはまた別の価値観、ルール、やりかたがあるという事実を尊重すること。
  3. そして自分の縄張りの中には自分の独自の価値観、ルール、やりかたがあることを相手に尊重させるべく、必要な時には(相手の縄張りを逆に侵害するのではなく正当な形で)しっかりと主張すること。

じっくり話を聞くことができない4つの場合
  1. あまりにも質問が多い場合
    相手が話そうと思っているのに「どうして...なの?」「それはどういうつもり?」などと質問しすぎると、相手の話をさえぎってしまうことになる可能性があります。また質問は、えてして批判や非難の性質を帯びる傾向があるため、「なぜ?」「どうして?」などの質問をあまりにしすぎるのはよくないかもしれません。
  2. 聴き手が自分の意見を言いすぎる場合
    聴き手は、時に自分の意見を言いすぎることで「聴き手」の役割から「話し手」の役割に変わってしまいます。すると、せっかく相手が話そうと思っていた気持ちをくじくことになりかねません。「聴き手」が自分の意見を言うのは、相手の話を十分に聞き終わってからにすべきです。
  3. 途中で指示や命令をしてしまう場合
    相手が話している途中で「それはもっと...すべでだったわね」とか「今度から...しなさい」などと指示や命令をすることで、相手が十分に話をするのを中断させてしまうことがあります。
  4. 相手がきちんと話し手のほうを向いてくれていない時
    話を聞く時は、しっかりと相手と向き合って、相手の目を見て話を聞くべきです。そうしないと、相手は自分の話に関心がないのだとか、軽んじられているのだと感じがちです。

コミュニケーションスキルの練習
  1. 質問をしない
    相手の話に「なぜ?」「どういうつもりだったのか?」などの質問をしないようにして、話を聞き続けます。もし相手の話がひどく不明瞭で曖昧な場合は、「というと?」などの言葉で、さらに話してくれることを促す程度にします。
  2. 指示や命令をしない
    相手の話について、言いたいことがあっても、話しを聞き続けている間はそれを言わず、聞き役に徹します。「それはやっちゃだめでしょ!」「今度から...しなさい」などの指示を差し挟まないようにします。
  3. 相手に対する意見を言わない
    相手の話を聴きながら、批判したい気持ちになっても、「あなたは○○だね」「またやったのね!何度言ったらわかるのよ!」などの相手に対する意見、特に批判的な意見は言わないようにします。
  4. 相手のほうを向いて、相手と視線を合わせて話を聴く
    話を聴く間、そっぽを向いているのはよくありません。しっかり相手に向き合って、目を合わせて話を聞きましょう。時々、うなずいたり、あいづちを打ったりすることもよいでしょう。
  5. こうして十分な時間をかけて、十分に相手に話をさせ、それを聞いて何らかの理解に達したら、その理解を確認する
    「あなたが~ということをした時に、...が××したから、あなたは○○だと感じて、△△という気持ちになってしまったんだね」というように、相手の話してきたこと、自分が理解したことをまとめて、相手に語り返し、理解を確認します。ここに何らかの意見や批判が入っていないことに注目してください。ただ、相手の体験したことを相手の目線で共有しているだけなのです。

「してはならない指示のしかた」
  1. 不明瞭な指示をすること
    指示をする時は、常に具体的に、どんなことをしてほしいのかという行動を特定して伝える必要があります。「いい子にしていなさい」や、「真面目にやりなさい」「常識的に行動しなさい」などは、具体的にすべき行動が示されていませんし、非常に曖昧です。このような指示のしかたは避けるべきです。
  2. 指示を連発すること
    長々とした話についていくことに困難を感じる人がいます。また、いくつもの指示に対して、私たちの側で意図していたものとは違う優先順位をつける人もいます。例えば、「これをして、あれをして、あれもやって、これもやってね」というようにいくつもの指示を連発されると、わからなくなってしまったり、結局できないことになる可能性もあります。また、指示を連発されることは、気分的に嫌なものですから、避けたほうがよいでしょう。指示をする時には、わかりやすく一つに絞ることが大切です。
  3. 「何々しないで!」という否定形の指示をすること
    否定形の指示は、必ずどこか批判的な雰囲気がしてしまいます。ですから、可能な限り「何々してほしい」というような肯定形に言い直したほうがよいのです。例えば、「うるさく騒ぎ立てないで」は「静かに、一つひとつ話してほしい」に言い換えられますし、「人が話しているのに、そっぽ向いていないで!」は「私が話している時は、きちんとこっちを向いていてほしい」と言い換えられます。これは、最初のうちは、ちょっと頭を使って大変そうですが、なれてくると自然に肯定形の言葉が出てくるようになるでしょう。
「好ましい指示のしかた」
  1. まず声をかけたり、名前を呼ぶなどして、お互いの視線を合わせる。
  2. どんなことをしてほしいか、一つの行動を特定して、具体的に指示する(肯定形で)。
  3. 相手が指示に従って行動してくれたら、それに対して「注目する」「ほめる声かけ」をして応えてあげる。

ネガティブな気持ちを伝えるコミュニケーションスキルの練習
  1. まず声をかけたり、名前を呼ぶなどして、お互いの視線を合わせる。
  2. 気持ちを落ち着けて、どんな相手の行動があったかを具体的に言葉で指摘する。
  3. その行動のために、自分がどんな気持ちになってしまったかを伝える。あるいは、その行動が組織として、会社として、どのようにまずいのかを具体的に説明する。
  4. 今後どうしてほしいかを、「何々してほしい」というような肯定形で伝える。あるいは「指示」をする。

問題を解決する手順
  1. 問題を具体化・明確化する
    問題が起こると、精神的に動揺してしまい、落ち着いて考えることが難しくなるため、自分が具体的にどんな問題を抱えているのかが明確にわからないようになることがあります。これでは、問題を解決しようと思っても、当然できませんから、まずは心を落ち着けて、自分が今どんな問題を抱えているのか、具体的に、明確にしていく必要があります。逆に、具体化・明確化できないような「問題」であれば、「問題解決スキル」を使って解決していくような問題ではなく、むしろ単純に話を聞いてほしいだけかもしれません。
  2. 問題に対する解決策を思いつく限り列挙する
    一つの問題に対する解決法は、いろいろあり得ることが多いものです。まずは、それぞれの方法がよいか悪いか、可能か不可能かは抜きにして、できる限り自由な発想で、いろいろと解決になり得る方法を列挙してみます。
  3. それぞれの解決策のメリットとデメリットを検討する
    解決になり得る方法を列挙し終えたら、次にそれぞれについて、利点と欠点を考えていきます。たいてい、どんな方法にも強みと弱みがあるはずです。
  4. それぞれの解決方法の利点と欠点を考えた上で、どの方法がよいかを選ぶ。
    ここでやっと判断が入ります。相談を受けた私たちがするのは、順序立てて考えることの手助けをしてあげるだけです。最終的にどの方法を選ぶかは、やはり基本的に本人に決めさせてあげましょう。その結果、うまくいくか、いかないかは本人が引き受けることになるでしょうし、結果がどうあれ、それは本人の貴重な体験になるでしょう。
  5. 選んだ方法を準備して実行する
    必要があれば、リハーサルをしてから実行してもよういでしょう。

やめなければいけない攻撃行動の例
  1. わかりやすい(顕在的な)攻撃行動
    ・怒鳴りつける、暴言を吐く
    ・怒って出て行く
    ・殴る、叩く、蹴る、物を投げつける、などの身体的暴力
    ・物を壊す、大きな音を立てる
  2. わかりにくい(受動的な)攻撃行動
    ・にらむ、そっぽ向く
    ・軽蔑した表情で見下す
    ・ふてくされる、わざと大きくため息をつく
    ・皮肉を言う、悪口・陰口を言う
    ・引きこもる、関わりを避ける
    ・言われたことをやらない、すべきことを遅らせる

ササッとわかる「境界性パーソナリティ障害」 (図解 大安心シリーズ) 岡田 尊司


「境界性パーソナリティ障害」(BPD)は、見捨てられることへの過敏さ、情緒や対人関係の不安定さ、自傷行為や自殺企図、自己破壊的行動への耽溺など、自分を損なう行為にのめり込むことを特徴とする常態です。その根底には、強い自己否定感や人間不信と結びついた愛情飢餓があります。

「境界性」(ボーダーライン)とは、精神病と神経症の境界という意味です。

気分や対人関係が両極端に変動しやすい...です。サイコーと感じる状態にいたはずなのに、些細なことがきっかけで、サイアクの状態に急降下してしまいます。対人関係においても、理想化しているかと思うと、ちょっと幻滅を味わっただけで、もうサイテーの人になってしまうのです。こうした両極端な変動の根底には、すべてが良いかすべてが悪いかという二分法的認知があります。二分法的認知の強い人では、物事を「全」か「無」かで考えてしまい、中間がなく、完璧な状態かまったくダメな状態のどちらかしかないのです。
 二分法的認知は、小さい頃からの親の期待通りの「良い子」しか認められず、ありのままの自分では受け入れられなかった結果だと考えられています。

物事がうまくいきかけたとき、すべてをフイにするようなことをしてしまいます。わざわざ自分をダメにしてしまうのです。

境界性パーソナリティ障害の大部分の人に共通してみられることは、親に対して強いこだわりがあるということです。それは、BPDの原因に、養育要因の関与が大きいことが由来しています。こだわり方は、否定的なこだわり方が多いのですが、そうとばかりは限りません。...親のことを理想化していたり、頭が上がらないということもあります。母親はとても頑張って自分を育ててくれたので、母親の言うことには逆らえない、何も本音は言えないというケースもあります。

長期間にわたって、同じスタンスで、変わらない関心と共感をもって寄り添い続けることが、もっとも大事なわけです。ことに、悪いことが起きたときやうまくいかないときこそ、チャンスだと思ってください。そんなときに、冷静で変わらない対応をすることが、将来の思い込みを強力に修正するまたとない機会となります。

傷つける言葉や挑発の背後にある気持ちに目を向けながら、攻撃や苛立ちの根底にある苦しさや寂しさに、話の焦点を向けていくことです。傷つけられたことにとらわれずに、冷静に相手の気持ちを汲むという手本を示すことができれば、それは本人の悪いパターンを変えていくきっかけになるのです。

中立的な立場が重要。本人をおんぶするのではなく、自分の意思で立たせる。立とうとする手助けはしても、本人にその意思がなければ手出しをしない。

安心感を脅かさないためにもう一つ大事なことは、本人を思い通りに支配しないことです。「良い子」を求めすぎないことです。BPDの人の一つのタイプは、優等生や良い子だた人が、自分のアイデンティティを見失って不安になっているというケースです。それまで親の「期待」や「価値観」に従って頑張ってきたけれど、それが限界に来ているのです。「期待」に応えられないことで、認められない悪い子だと自分を否定する気持ちを抱えています。まず、その呪縛から解放し、その人自身のアイデンティティを、そして自分を取り戻させることが必要なのです。

目的やルールを明確にしておきましょう。それが安心感にも結びつきますし、支える側が共倒れになるのを防ぐことにもつながります。
(目的や枠組み、支える側の限界も明確にする)

批判的なことをつい言ってしまう癖のある人は要注意です。悪い点ばかりをみて、それを問題にする思考が染みついている人が関わると、どんどん事態は悪化していきます。否定的な一言で、何ヵ月も積み上げてきた努力も無駄になりかねません。まず共感し、受け止めることから始めないと、話になりません。

認証戦略では、どんなに悪いことにも、何か良い点があるはずだ、何かプラスの意味があるはずだという視点で、「良い所探し」をします。

安定を図る上では、ネガティブなことばかり言う人や、感情的で批判的になりやすい人とは、距離をとるようにした方がいいでしょう。実際、親や配偶者がそういうタイプの人である場合には、その人と会うたび不安定になるということが起きます。親や配偶者が変わろうと努力するか、その人と距離をおくかが必要でしょう。

大切な心構え...とは、その子が赤ん坊に戻ったと思って、もう一度、育て直すつもりで関わるということです。実際、BPDの状態は、赤ちゃん返りしたような退行状態だとも言えます。全面的な関心と愛情を求める生まれて最初の1年のような深く密着した関わりが必要なのです。ある意味、BPDの状態になることによって、その人は幼い頃に満たされなかったものを取り戻そうとしているのだとも言えます。人が大きく変化するのは、幼い頃と青年期ですが、青年期に一旦閉じられた心の蓋が開いて、もう一度やり直すことができる状態になるのです。それは、大人になる前に、安定した本来の自分を取り戻す最後のチャンスだとも言えます。