影をつかんで、実体を見失う。
(英語)
Grasp at the shadow,
and lose the substance.
(イソップ)
イソップ物語にある話のようです。
ある犬が、肉屋から
肉を一切れちょろまかし、
住みかに帰る途中、
川を渡っていた。
犬は流れに映る自分の影を見て、
他の犬が肉をくわえているのだと思い、
その肉も我が物にしたいと思った。
犬は、次の瞬間、
その犬に飛びかかっていったのだが、
その結果は、容易に想像できる。
結局、自分がくわえていた肉を落とし、
すべてを失った。
ちょろまかしに成功(?)しても、
その性根からくる卑しさが、
せっかくの成功をも失わせる。
人間にも、ありえそうですね。
何かを手に入れようとした時に、
手段を選ばないでどんなことでも
する気になれば、きっと、
それは手に入る。
しかし、それは、
自分の性根レベルに合わせて、
自分のものになったり、結局は、
失うことになったりする。
おそらく、最初から
影を求める「虚しい性根」から
始まっていれば、いろんなものを
手に入れたように見えても、
きっと失うことになるんだと思う。
何にでも、実体と影がある。
どこを見ているかによって、
見えるものがまったく違うだけ。
こんなことも言えるかもしれない。
言葉は影、心は実体。だから、
言葉にだまされることもある。
【参考】
いい言葉は、いい人生をつくる(斎藤茂太)