寂しさってのは、…

寂しさってのは、
両方で分かち合うものじゃないんだ。
自分は寂しがってても
向こうはそうでもなかったり、
その逆のパターンだったり…。
片思いみたいなものだよ。

だから、寂しいっていうのは、
相手がそばにいないのが寂しいんじゃなくて、
なんていうか、そばにいない相手が、
自分が思うほどには
自分のことを思ってくれてないんじゃないか、
っていうのが寂しいっていうか
…その寂しさが寂しいっていうか…

(十字架、重松清)

卒業や異動など、
別れのシーズン。

寂しいよ、
って言われないこと自体が、
なんだか、寂しい気になるかもしれない。

けれど、寂しいよ、
って言える相手がいることは、
ちょっと幸せかも…

それが一方的なものでもいいから、
そういう感情を向けられる相手がいた、
っていうのは、きっと、
幸せなんだと思う。

別れても、離れても、
自分の感情に何も起こらない程度
でしか、付き合っていなかった、
という事実だけだとしたら、

その付き合い、交流は、
あんまり意味がなかった、
ってことにもなりかねない。

寂しさは、
だいたいが片思い。

共有できる、
なんて方が珍しい。

新たな出会いでも、
寂しい思いをするだけの人と、
出会えたら、幸せなこと。

寂しい思いを
感じないような日々には、
何かが足りないのだ。
そう思うことにしよう。

(参考)十字架(重松清)

No.3500

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