迷いの中にあるなら、
きりきりと迷うがいい。
そのようにしてだれもが思慮を、
分別を身につけていく。
(密命・尾張柳生剣、佐伯泰英)
迷うこと、
選べないこと、
決められないこと。
そういう自分を感じると、
なんだか、情けなく思ったりする。
ほかのみんなは、
どんどん決めて、
ずんずんと前に進んでいる気がする。
学生にしてみれば進路、
適齢期には結婚するかどうか、
イヤな仕事を前に続けるか辞めるか、
などなど…
私たちは、
今あるものを失う怖さと、
新しいもの(こと)も欲しいから、
迷ってしまう。
どうしようか…
でも、ちょっとした発見。
迷う人は、
どんなことにでも
迷うのだ。
また、迷わない人は、
いろんなことについて
あんまり迷わない。
そして、
迷っているというのは、
そのことに付き合いたいから、
人は迷うのであって、
きっと無駄なことじゃない。
付き合っても無駄だ、
と感じたら、その瞬間から、
それについて迷うことをしなくなる。
迷うことは、
心の奥のところで、
それに付き合っていたい思いが、
消えていない証拠。
迷うことが増えれば、そのうち、
それらを削っていくのが人間。
それらをうまくやれなかった、
という経験も、次の迷いへのヒントになる。
迷うのは大丈夫、
そう思って生きるのもいい。
(参考)密命・尾張柳生剣(佐伯泰英)
No.3795