たいていの心配事は、
頭で考えるよりずっと
あっさり片付いちゃうもんさ。
(沈黙博物館、小川洋子)
知らず知らずのうちに、
こんなことをしている自分は、
どう思われるんだろう…
なんて考えている時があります。
この思いに
とらわれずぎると、
だいたい、
堂々巡りで、
何も進められなくなります。
けれど、
だいたいは、というか、
ほとんどの場合、
誰も私のことなんて
考えていないのです。
考えていたとしても、
同じように、
「私はあの人にどう思われるだろうか…」
みたいに、自分のことで
頭の中をいっぱいにしている。
みんながみんな、似ている。
そうだとしたら、やっぱり、
誰も私のことなんて考えてないわけです。
その事実に気づくと、
この心配事は、解決です。
その心配事のために、
何かしたわけじゃない。
だれかに弁明とか、
説明とか、行動を
起こしたわけでもない。
頭のなかで、
思考の回路を組み替えただけで、
終わった。
心配事は、心のなかで
人間がふくらませているもの。
心配が勝手にふくらんでいるわけじゃない。
(参考)沈黙博物館(小川洋子)
No.4293