人生を左右する分かれ道を選ぶとき、…

人生を左右する分かれ道を選ぶとき、
一番頼りになるのは、いつかは
死ぬ身だと知っていることだ
と私は思います。

ほとんどのことが
-周囲の期待、プライド、
ばつの悪い思いや失敗の恐怖など-
そういうものがすべて、
死に直面するとどこかに行ってしまい、
本当に大事なことだけが残るからです。
自分はいつか死ぬという意識があれば、
なにかを失うと心配する落とし穴に
はまらずにすむのです。
人とは脆弱なものです。
自分の心に従わない理由などありません。

(スティーブ・ジョブズ II 、ウォルター・アイザックソン)

去年6月、知人から、
「うちの妻、今月、
 もつかもたないか、
 って言われまして…」
という話を、唐突に聞かされて、
文字どおり言葉を失った。

東日本大震災の1週間後に、
手術の予定が組まれていたけれど、
それが震災で病院機能が停止し、
いきなり避難生活が始まり、
手術どころでなくなった。

彼の奥さんは、
今年の2月1日までがんばり、
この世での生涯を終えた。

自分とか、
身近な誰かの命の時間を
自覚するような経験がないと、
心はなかなか揺さぶられない。

揺さぶられるような経験があって初めて、
人生のシーンで何かを選ぶ時の
価値観が変わってくる。

それまで、大切にしていたものが、
そうでもなくなったり、
大切じゃないと思っていたものが、
急に大切なものだったと分かってきたり…。

死を考えすぎないことも大切だけど、
死に向き合うのも大切だ。
そうでないと、人間は、
バカになってしまう気がする。

(参考)スティーブ・ジョブズ II (ウォルター・アイザックソン)

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