武器というものは、
どんなものであれ、
あとあと面倒になるものだよ。
地雷でも、
核ミサイルでも、
そうだ。
(ZOKUDAM、森博嗣)
武器なるもの、
一度持ち出せば、
使いたくなる。
使ってしまうと、
引っ込みがつかなくなる。
そればかりでなく、
かつて通用した武器が、
いまも通用すると思いたがる。
それが人間だ。
人生を、仕事を
生き抜くために
身につけた知識や技術。
それを武器にして
以前いろんな活躍をしていた
という自負があると、
その武器を
なかなか捨てられなくなる。
俺はこれが出来るんだよ、
と時代遅れの話さえ
口にしてしまう。
武器にもならないものに、
過去の栄光にすがって、
なかなか前に進めない。
それも、武器の怖さだ。
人間は、
自分を守るために、
安心するために、
武器をもちたがる。
その心情につけこんで、
武器に見えるものを、
本当は武器にもならないものを
売りつけていく輩もいる。
武器なるものは、
やっかいだ。
これを思っていて
損はないと考える。
(参考)ZOKUDAM(森博嗣)
No.5585