私たちは、…

私たちは、
大事なものを
喪失するたびに、

壊れた世界を
自分の足で歩きまわって、
それぞれの新しい地図を
作らなくてはいけない。

(傷痕、桜庭一樹)

どんな世界も、
壊れていくというか、
過ぎ去っていく。

新しく作られた世界も、
完成した瞬間から、
そういう方向に
少しずつ向かっていく。

だから、
出来たと思ったら、
そこをどう歩いていくか、
地図を見つけるか、
自分なりに作らないといけないし、

同時に、
いつかは変わっていくことも
覚悟したほうがいい。

誰も入り込んでいかない、
田舎のような世界でない限り、
道も空間も変わっていく。

それがどう変わったかを知る方法は、
正確な地図を売ってる場所を探すか、
それを持っている人を見つけること。

そうだとしても、
本当に正確かどうかは、
自分の足で歩いてみないと、
分からない。

自分の足で歩くことで、
地図には載っていない、
自分に必要な情報も分かってくる。

人それぞれ抱えている問題や、
体力や糧も違うからね。

世界は壊れていってる。
そして、どこかで
新しい地図が作られている。
そう考えるのは、
怖い気もするが、なんだか
スリルがあって面白い。

(参考)傷痕(桜庭一樹)

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