珍しいもの…

どうして、珍しいものを
不吉か幸運に結びつけるのか、というと、
それは、珍しいものが
記憶に残りやすいからです。

だから、そのあと
たまたま悪いことが起こったり、
それとも逆に良いことが
起こったりしたときに、
ああ、あの珍しいもののせいだ、
あれのおかげだ、と考えるのです。
べつに、それがなくても、
悪いことも良いことも、
いつも起こり続けているのですけれど、
因果を考えたくなるのが人情というもの。

(ブラッド・スクーパ、森博嗣)

自分に降りかかることで、
原因のあるものについては、
それを理解して、
自分の行動を変えていくことは大切。

しかし、なにもかも、
人間の頭で考えるような原因が
あることとは限らない。

それを無理に探して、
万が一、関係ないことと結びつけて、
それが害のないことであればいいが、

そうでないとなると、
人は、ただ、そのことに
縛られてしまうだけだと思う。

人生に、
いいことだけを
呼び起こして、

嫌なことは
まったく起こらないようにしよう、
という考え方に、
そもそもの誤りがあるだろう。

だから、
いいことにも、悪いことにも、
すべて理由がある、
という考えのもとに、
あまりにも、その理由を探究すると、

かえって、
その理由(何でもないという理由)に
逃げられて、
変なものをつかまされてしまうことも
あるのでしょう。

(参考)ブラッド・スクーパ(森博嗣)

No.5743

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