愛の言葉…

人生の複雑な
味わいがわかるまえに
連発される愛の言葉の
なんと薄いことか。

自分ではそれに決して
気づかないのである。

(ラブソファに、ひとり、石田衣良)

後になって、
年を重ねるようになって、

あの時の言葉は、
分かっていなかったなぁ、
と気づかされることがあります。

勢いとか、
意地になって、
大きなことを言ったり、

愛情のある言葉とか、
使命感のあるセリフを
吐いたりするけれど、

自分の「見えなさ」を、
その時には気づいていない。

自分では、
自分の言葉として
言っているつもりなんだけど、

言葉の重み、軽さを
知らないだけでなく、

自分の思いすら、
分かっていないのも、
薄っぺらさの原因なんだろう。

でも、
薄っぺらいかもしれないが、
そんな言葉が、通過点として
必要なこともある。

後になって、あれは、
分かっていなかったなぁ、
と気づくためにも。

言葉を自分のものにする、
って即席でできないからね。

(参考)ラブソファに、ひとり(石田衣良)

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