心の傷は、
治すものではなく、
抱えて生きるものです。
しかし、
それを可能にするには、
ひとりでは無理です。
身近な人の献身的な愛が
必要なんですよ。
(まだ遠い光、天童荒太)
治したい、
という強すぎる気持ちは、
さらなる別の病を生む。
強すぎる欲望は、
人に悪さをすることが多い。
本著には、
こんな言葉もある。
「民主主義ってのはさあ、
えらく面倒で、一人一人がしんどいんだよ。
世界中で、本当に
民主主義が達成できてる国なんて、
本当はまだないんだ。
お偉いさんに任す、
リーダーに導いてもらうなんて
言ってる時点で、
もう民主主義を放棄してんだから。 」
今の日本という国が病気だとして、
それを「元に戻す」「治す」
っていう願望が強すぎるのは、
老いていく人間に置き換えたら、
場合によっては、
わがままかもしれない。
今の時期にあった対応をしないと、
元に戻るどころから、
かえって老化を早めかねない、
そんな気がする。
すべての問題が
解決できるわけじゃない。
抱えて、ともに生きていくことが、
一番いい解決方法という問題もある。
生きるとは、
スッキリすることじゃなく、
そういうことだと考える。
(参考)まだ遠い光(天童荒太)
No.5767