嫌なものを見ようとすれば、
どこにでもある。
ただ美しいものを意識的に求めれば、
それだってどこにでもあるわけで、
せっかく開いた目で見るのであれば、
美しいものの方がいい。
(路、吉田修一)
昨晩のニュースで、
景気の「気」は、
気持ちの「気」だ、
というコメントがあった。
なんだか、
よくなっていきそうだ、
という国民の気持ちが、
お金の巡りを良くするのだろう。
今の日本では、
どこをどう見たら、
そんな気持ちになれるのか、
みんな、迷っているように思う。
私もそうだ。
あ、いい感じだ、
と思ったことが、
ちょっと目を離した瞬間に、
見失ってしまって、
「あれ、何を見たら、いいんだろう…?」
みたいなことになっているんじゃないだろうか。
ただ、
心が明るくなるようなことを見たい、
という気持ちが、
強すぎる欲望になったりすると、
罠にハマって、だまされたりもする。
人間は、だまされると、
警戒してしまう。
警戒心が強い時には、
目に見えること、
耳に聞くこと、
心に入ること、
いろんなことに、
疑いが生じることでしょう。
それじゃあ、明るくなれるわけがない。
感動することも難しい。
どこをどう見るか、
生きるって、きっと、
そういうことだ。
(参考)路(吉田修一)
No.5781