誰だって、
自分の目で
見たものしか
わかんないよな。
だから人が
見てるっていうものを、
嘘だとも夢だとも
軽々しく言えねぇし。
(無花果とムーン、桜庭一樹)
見ていないものを、
見たと思い、
見たものを
見ていないと思う。
人間には、
そんなことが可能だ。
けれど、いつも、
そんなことばかりとも
言えない。
また、
見えていない事実を、
「見えた」と言っている人に、
正直に伝えること、教えることが
いつも賢明とも限らない。
そうだねぇ、
見えるんだねぇ。
と共感してあげることが、
後々になって、
その「見える」問題を
解決することに
なるかもしれない。
人が欲しい真実は、
それぞれ違う。
そして、
本当の真実を
欲しがる人よりも、
自分がそうあってほしい
という真実を欲しがる人の方が
圧倒的に多いと思う。
その欲しがる心を癒すものは、
他人から押しつけられる真実ではないだろう。
複雑だけれど、
自分の身でも分かることだ。
(参考)無花果とムーン(桜庭一樹)
No.5828