無一文になった自分を
思い描いてみると、
たった一つだけ
手に入るものが浮かんだ。
失えるだけ失ったなら、人は
逆説的に無敵になるということ。
自分の部屋を
空っぽにしておけば、
空き巣が入っても
何も盗られるものがない。
(江神二郎の洞察、有栖川有栖)
春は、
引越しのシーズン。
とか言いながら、
すでに4月も10日を過ぎたが、
わが家では、
仕事が休みだった妻と、
昨日になってやっと、
娘の引越し後の不要物も含めて、
ゴミの処分をした。
マイカーの後部座席を倒して、
衣類、教科書、書類などを詰め込んで、
ゴミ処理場へ持ち運んだところ、
その重量は、170kgだった。
処理費用は、890円。
捨てるまでは、
「本当に捨てていいのだろうか?」
という一抹の不安もあったが、
捨ててしまえば、
「ああ、すっきり」である。
こういう処分のたびに思うのは、
人間は年を重ねるにつれて、
荷物(ゴミ)を増やしてしまうんだな、
っていうことだ。
たくさんの武器(荷物?)を
持っているということは、
選択肢がそれだけあるから、
強いような気がする。
しかし、
武器が多いということは、
それだけ学ぶことが多くなり、
そのメンテナンスや扱いのために
とられる時間も増えるということ。
それが繁忙になり、
心に余裕がなくなると、
スキが生まれることもある。
余計なものがないほうが、
強いのだ。
これを機会に、
荷物が増えないよう、
気をつけたいと、
第20回目くらいの決心をした。
(参考) 江神二郎の洞察(有栖川有栖)
No.5878