失うということは、
希有なことではない。
ふつうに日々を暮らしていたって、
私たちはしょちゅう何かを失う。
だいじなものも、そうでないものも。
生きれば生きるほど
失うことに麻痺していく。
何かをなくしても、
たいしたことじゃない、
と自分に言い聞かせる術を、
私たちは知らずに身につけていく。
(ポケットに物語を入れて、角田光代)
失って、
たいしたことじゃない、
と自分に言い聞かせて、
その通りのものもあれば、
そうでなく、
やっぱり大切なものもある。
そうはいっても、
失ってしまった事実は
変えられないことが多く、
立ち止まっていても
どうしようもないから、
「たいしたことない」として
とりあえず前に進む時もある。
失った意味は、
後々考えた方がいい場合も
あるのだ。
今は今。
やれることをやって
生きていく。
No.7378