ひとが口にした何かを
「美味しい」と思えるには、
ただ料理の味わいばかりでない。
誰と食べるか、どんな状況で食べるか、
その料理にどんな思い出を持つか、
あるいは料理誕生の過程に
どれほど近しい気持ちを抱くか、等々。
様々な要因が絡むのだ。
(みをつくし料理帖08―残月、高田郁)
好きだからこそ、
そのことを、その人をよく知っている、
という場合があるように、
嫌いだからこそ、
そのことを、その人をよく知っている、
ということもあるように思う。
それは、嫌いも好きも、
時には、同じだけの関心をもって
眺めているっていうことなんだろう。
やっぱり、よく見ていれば、見えてくる。
ただし、人それぞれのフィルタがあるから、
見れば見るほど、
思い込みが激しくなって、
事実と違う見方をしていることもあるべな。