
最も有能な将軍とは、
けっして闘わない戦士のことである。
(孫子、孫武)
競争社会について、
言っているのではない。
交渉について、
言っている。
交渉が決裂するというのは、
お互いがお互いの主張を
曲げない時に生じる事態である。
主張を曲げない時っていうのは、
ある意味、想像力が不足していると思う。
決裂した場合、あるいは、
本当の争いになった場合に、
どれだけの損失があるか、
想像できない感情になっているだけ。
少しくらいの損失なら、
と思うかもしれないが、
それで済まないのが戦いだ。
自分が、
交渉する人間として有能になるか、
交渉上手な仲間を迎えるか、
そして、敵として、
有能な交渉相手を選べるか、
がポイントだと思う。
それが期待できなければ、
そこでは交渉も戦いもしないことが
賢明なのだ。
意見の対立は、常にある。
強い意見を言えば、
相手が引き下がるわけではない。
たとえ、引き下がったように見えても、
心がついていかなければ、
事はうまく運ばない。
相手を冷静にさせ、賢明にさせ、
「この人は、一枚上だなぁ…」と
思わせられたら、有能なのだろう。