我々が皆自分の不幸を持ち寄って並べ、
それを平等に分けようとしたら、
ほとんどの人が今自分が
受けている不幸の方がいいと言って
立ち去るであろう。
(ソクラテス)
「あなたはいいね。私は…」
っていうような言葉を聞くことがある。
内心、何を分かって、
そんな言葉を言っているんだ、
と重ってしまうこともある。
確かに、私も、そんな感情に
埋もれていた時期がある。
おそらく、そういう心情の人は、
自分にないものを見つけるコレクター
なんだろう、と思う。
だから、他の人の境遇と入れ替わりたい、
などとも思っている場合が多い。
しかし、幸せそうに見える人にこそ、
そこに到達するまでの険しい道のりが
あることが多い。
だから、自分の今の幸不幸と、
他人の幸不幸なんて、
比較すること自体が意味のないこと。
幸不幸は、平等に分けられているわけではない。
それは、最初、どちらの状態ともつかない姿で、
準備されていて、我々が、幸にも、不幸にも
変えられるものなんだと思う。
だから、幸不幸について、
平等でない、と考えるのはやめよう。