
鳥は卵の中からぬけ出ようと戦う。
卵は世界だ。
生まれようと欲するものは、
一つの世界を破壊しなければならない。
(デミアン、ヘッセ)
卵の殻を破れないヒナは、
力尽きてしまう。
かわいそうって言って、
親鳥が手を貸すことはないかもしれない。
それが、生きるための第一ステップだから…
私たちの周りにも、
それに似た殻が、
何層と覆っている場合がある。
最初は、安全に生きるための保護として、
守ってくれるその殻。
しかし、居心地がいいからと言って、
安住していては、力が弱くなるばかり…
その殻を突き破っていかなければ
いけない時がある。
そして、1つの殻を突き破っても、
しばらくすると、さらに大きな殻が
守ってくれているのに気づくことがある。
だから、また、時期が来たら、
その殻も突き破っていく。
多分、どんなに長生きして、
何層の殻を突き破ったとしても、
相変わらず、殻は、その外にも、
さらに外にも、存在していると思う。
それくらい、人生は、
層が厚く、奥深いはず。