人間というものは、
ふだんから目の前にあるものよりも、
過ぎ去ったもの、なくなったものに、
あやしいまでの愛着を持つものである。
(朝鮮短篇小説選)
過去を振り返ってしまう自分を
見つけた時、いつも、思う言葉がある。
「昔が今よりもよかったのはなぜか」と言うな。
あなたがこれを問うのは
知恵から出るのではない。
(旧約聖書 伝道の書7:10)
本当に、昔が良かったわけでない。
過ぎ去ってしまった過去の
良かった部分と、
今現在の
良くない部分を比べて、
「昔はよかった」
というのは、本当に知恵がない。
他人の長所と、自分の短所を比べて、
自分はダメだ、と結論づけるのも、
他人の短所と、自分の長所を比べて、
自分は最高だ、と思い込むのも、
それに近い。賢い判断ではない。