もし、ぼくの身に何か起こったら、
君がぼくの人生のすべてだったということを
覚えていてほしい。
(英語)
If something happens to me,
I want you to know
that you made my life.
(ワシントンポスト誌、リックの言葉)
2001年9月11日、アメリカ同時多発テロにおける
実際の物語を紹介します。
(ワシントンポストに掲載された内容です)
経験豊富な退役軍人のリック(当時62歳)は、
世界貿易センター内の
ある会社の副社長をしていました。
午前8:48、最初の飛行機が激突した時、
リックは事務所にいて、通報を受けました。
直ちに彼は、ビル内の従業員全員に
避難命令を出したのです。
そして、自分は拡声器を手にして
階段を駆け上り、各階から人々を避難させました。
階段の吹き抜け部分で
人々を安心させようとして
声をかけているリックの姿を見た一人の友人は
「リック、君も外へ出なければダメだ」
と言いました。
「全員が避難してからだ」とリックは答えました。
彼はまったく平静でした。
その後、彼は本社に電話をかけ、
降りて来られない人を探すために
上へ戻ると言いました。
同じ時、リックの妻は、その事件を知りました。
しばらくして、電話がなると、それはリックでした。
「泣かないでほしい。
今は同僚たちを救出しなければならない。」
妻は泣きじゃくりました。
「もし、ぼくの身に何か起こったら、
君がぼくの人生のすべてだったということを
覚えていてほしい。」
そして、電話は切れたのです…
その後、分かったことですが、
ビルで働いていた彼の会社の2,700人のうち、
亡くなったのは、わずか6人だったのです。
大虐殺の奇跡だと言われています。
彼の奥さんのことを考えると、
言葉がみつかりません。
自分の人生について、
何か考えさせられます。
同時に、私には、
まだまだ分からないことが多い…
という実感も湧いてきます。