裸で私はこの世に来た。
裸で私はこの世から
出てゆかねばならぬのだ。
(ドン・キホーテ、セルバンテス)
聖書には、こんな言葉があります。 「わたしたちは、何ひとつ持たないでこの世にきた。また、何ひとつ持たないでこの世を去って行く。ただ衣食があれば、それで足れりとすべきである。」(新約聖書 1テモテ6:6-7)
この言葉は、地味な生活をしろと言っているのではないと思います。むしろ、自分たちの始まりと終わりという本質を見つめながら生きることの大切さを教えているのではないでしょうか。虚栄心、競争心、物欲、金銭欲など、私自身もすべて克服しているとは言えません(むしろ、人一倍強いかもしれません)。しかし、その結果得たものは、何一つ次の世へ持っていけないのです。
次の世があるかどうかを信じるかどうかは別として、今を楽しむことも大切ですが、強い所有意欲をもって生き進んだ人が最終的に悟ったことは、みんなほぼ同じだったのだろうと思います。