悲運に耐えるより、
幸運に耐えるためにこそ、
大きな能力が要る。
(運と気まぐれに支配される人たち、ラ・ロシュフコー)
悲運のさなかにいる人は、「今が一番たいへんだ」と思うことでしょう。しかし、幸運から悲運に移ってきた経験がある人なら、「あの時、ああしておけばよかった」と考えることがあるかもしれません。
悲運な時に何を考え、何をするかは大切ですが、幸運な時に何を考え、何をするかはもっと大切です。私も含め、それを怠ったために苦い経験をした人は多いでしょう。
人間が見通せる未来はそれほど長くありません。調子が良いと、それがずっと続くと勘違いしがちです。そして、調子が悪くなると「なんとかなるさ」とごまかします。しかし、不調にならないと、学べないのは、人間の悲しい性(さが)です。