仕事でも人生でも、「忙しいこと」そのものが問題なのではなく、その忙しさにどう向き合うかが重要だと思う。特に、自分で選んだ忙しさではなく、突然訪れる忙しさへの対応力が、その後の結果を大きく左右する。
私は、ある飲食店の開業失敗例について書かれた文章を読んだ。開店直後は来客が多く、一見すると繁盛しているように見えたが、接客教育の不足、厨房の段取りの悪さ、商品品質への不満が重なり、最終的には短期間で閉店に追い込まれたという内容である。この事例は、「忙しいから仕方がない」で済ませてしまった課題が、後になってより深刻な問題を生むことを示している。
その考え方を象徴する言葉として、次の一節が印象的である。
引用:
忙しい悩みは、必ず解決できる。
でも、暇な悩みには出口はない。
(伊料理ラ・ベットラ・ダ・オチアイ、落合務)
この引用を取り上げたのは、忙しさそのものではなく、その忙しさへの対処の仕方が将来を決定するという筆者の主張を端的に表しているからである。
実際には、自分で選んだ忙しさばかりではない。予想外の仕事、環境の変化、急なトラブルなど、自分の意思とは無関係に発生する忙しさも多い。しかし、そのような状況で優先順位を誤らず、一つずつ課題を処理していくことが、将来の停滞や後悔を防ぐことにつながる。
飲食店の例でも、開業準備の忙しさの中で「接客教育」「業務手順の整備」「商品品質の確認」といった重要事項が後回しになった結果、一時的な繁盛が長続きしなかった。忙しいときほど、本当に優先すべきことを見失わないことが大切だと分かる。
忙しさは避けられない。しかし、目の前の忙しさに適切に向き合うことで、将来のより深刻な問題を防ぐことはできる。その意味で、この言葉は仕事や人生における優先順位の重要性を教えてくれる示唆に富んだ考え方だと言える。