現代社会では、人生の安心や価値を、地位やお金、所属する組織など、自分の外側に求めがちです。しかし、それらは時代や環境によって変化し、自分の意思だけでは維持できないものでもあります。
そのため、外側の条件だけに心の拠り所を置くと、不安定さから逃れることは難しくなります。
私は、人生を支えるものを考えたとき、地位や収入、所属する組織だけに依存することには限界があると思います。それらは社会や時代の変化によって簡単に姿を変えるからです。だからこそ、不確実な時代ほど、自分の考え方や判断力、人との信頼関係、困難な状況に向き合う力といった、自分の内側に蓄積されるものの価値が高まるのではないでしょうか。それは人生を保証するものではありません。しかし、何かを失ったときに再び立ち上がるための力にはなり得ると思います。
このことを考える上で、相田みつを氏の次の言葉は示唆に富んでいます。
引用:
「一万円持とうが、一億円持とうが、本来の自己は少しも変わらない。」
「変わるのは銀行の扱い。」
相田みつを『相田みつを作品集(詩・書作品)』
この言葉を引用したのは、お金や社会的評価によって変化するのは自分の本質ではなく、自分を取り巻く環境や他者の反応であることを端的に示しているからです。
かつては、終身雇用や年金制度などによって人生がある程度保証されるという期待がありました。しかし時代の変化とともに、その前提は揺らいでいます。だからこそ、他者や制度による保証を求め続けるのではなく、自分自身の内面を育てることに価値があるのではないでしょうか。
人や制度は時代によって変わります。しかし、人としての在り方を磨く努力は、自分の意思で続けることができます。人生を支える本当の基盤とは、外側の条件ではなく、どのような状況でも失われない内面の豊かさなのだと思います。