視線

彼らのほとんどは、
俺たちと目を合わせようとしない。
顔を背けるわけではないが、
決して目が合わないよう、
不自然なまでに視線を前に固定する。
彼らに後ろ暗いことがあるわけではない。
むしろ警察と自分たちが無関係だからこそ、
驚きと警戒を隠せないのだ。
煙たがられながら頼られることに慣れなければ、
この仕事はやっていけない。
(満願、米澤穂信)
タグ: 満願