一人前の口をきくからには、
一人前の者として
行動しなければならない。
それだけの覚悟はしているね。
(風の館の物語4、あさのあつこ)
口だけが一人前になると、
面倒くさい存在になる。
しかし、人は、
だいたい口から一人前に
なることの方が多い。
自分の行動を
一人前にして、
それから言葉の説得力を
アップさせよう、
なんて考えるようになったら、
本当に一人前だ。
経済的な依存をしていながら、
親に、好き勝手なことを言う。
時には、親らしくない、
なんてことも言ったりする。
会社の組織に、
守られながら、
会社の方針にだけ文句を言う。
それでいて、
やるべきことの半分も
やれていなかったりする。
国の政治に、
あれこれ不平を言いながら、
税金や必要な支払いは、
未納状態。
たしかに、
言っていることは、
当たっているかもしれない。
正しいかもしれない。
それでも、もしも、
こういう人々しか
いない集団、組織、国になったら、
どうなるんだろう、って考えると、
ちょっと怖い。
誰も、生産的な行動を
しなくなっちゃうんじゃないか。
誰もが、
大切にされる存在になりたい、
と願っている。
けれど、口と行動が
いっしょに成長しないと、
大切な存在にはなれないことも多い。
しゃべることと、
生きることはちょっと違うのだ。
(参考)風の館の物語4(あさのあつこ)
No.3767