年とるとみんな
さびしくなるのや。
やりとげたことより、
やりとげられへんかったことを考えたり、
あきらめた夢を思い出したりな。
それが普通の人間や。
どんな人も幸せだったり
不幸だったりするのや。
そやからな、
わたしの言うとおりにしたら
幸せになれます、
さびしくなくなりますなんて、
にこにこ顔で言う人は、
信用でけへんのや。
(新ほたる館物語、あさのあつこ)
人生には、
現実がいっぱいある。
けれど、
その現実を隠して、
「自分の幸せぶり」を
見せたくなる時期やシーン、
というものがあります。
同級会とかは、
そのいい例かもしれない…
なにか考えただけで、
なにか買っただけで、
なにか聞いただけで、
ずーっと幸せになれるんだったら、
だれも、苦労しない。
なんかいいなー、
と思った矢先に、
予想外のことが起こって、
すぐに不機嫌になったり、
不幸を感じたりすることは、
少なくない。
一方、
同じことが起きても、
すぐに受け流せたり、
「ま、いいっか」
と忘れられる人もいる。
幸せに見えることのために、
あるいは、
幸せに見せるために、
がんばってることは、
期待よりも長続きしない。
いつか、ほつれてくる。
(参考)新ほたる館物語(あさのあつこ)
No.4299