わかっていることと
感じることは違う。
頭と心はいつも少しずれて、
ぴたりと合わさらない。
(かんかん橋を渡ったら、あさのあつこ)
辛いものはキライ、
カーテンが嫌い、
今のヒーターは嫌い、
(前のがよかった)…
などなど、
嫌いな話だけをする
一人暮らしの老女。
きっと、
心のなかには、
そんな「嫌い」だけを
話したいわけじゃない思いが
あるだろうけど、
身内の人間が聞いたら、
おそらく、近づきなくない
気持ちになるだろうと思われる。
しかし、
心の中にある気持ちは、
なかなか出てこない。
頭と口は、違うというわけだ。
幸い、それを理解してくれる人が
身内にいたとしても、
こうは言っているけれど、
本当の気持ちは「寂しさ」とか
なんだろうなと思いながらも、
あまりにもしつこく
「嫌い」の話ばかり聞かされると、
さすがに、うんざりしてくる。
これも、頭では分かっているが、
怒りの言葉が口から出てくる、
みたいな現象を生み出す。
人が自分の感情に勝つ、
っていうのは難しいんだな。
No.7146