これは「曲がり木」と言ってね、
まっすぐではない枝なんだな。
だから強い。簡単には折れない。
この椅子は、曲がった枝を利用して、
こしらえられたものです。
わたしたちのように、
体のどこかがまっすではない者でも、
こうして、椅子の一部になり、
椅子を椅子たらしめることができる。
逆の言い方をすれば、
曲がり木がなければ、
人は椅子ひとつ完成させられない。
そういうことなんです。
だから曲がった枝は、
無理してまっすぐになる必要もない。
あるがままで、いいのです。
(曲がり木たち、小手鞠るい)
自分の中にも、他人の中にも、
真っ直ぐであることの強さもあれば、
曲がっていることの強さもある。
どちらも大切で、
どちらも使い道がある。
要は、人がどう使うかだけ。