皆さん、お金なんか
残すことはありません。
もめるだけです。
(綾小路きみまろ)
中高年に受けているという
漫談家「綾小路きみまろ」の言葉。
確かに、本人が言うように
「一言多い」人かもしれませんが、
なかなか、本質をついている言葉が
多いです。
自分が逝った後、
財産を仲良く、価値ある方法で
使ってくれるだろうと期待しても、
なかなか、そうはいきません。
そうなった例は少ないでしょう…
西郷隆盛が語った
「子孫に、美田残さず」は
真理のように思います。
財を苦労してたくわえた人間の成熟度と、
ただそれを使えばいい立場に
置かれた人間の成熟度には、
もともと大きな差があるのですから…
財産、お金に限ったことではありません。
自分で勝ちとったものでなく、
自分以外の意志で、
手のひらにのせてもらったものは、
学歴だろうと、職歴だろうと、
何だろうと、同じような扱いを
されるように思います。
だから、綾小路きみまろの言葉を聞いて、
伝わってくるメッセージ、
「自分の現実を見ろ」
「ムダな努力はするな」
「人の心に期待するな」
には、皮肉的ではありますが、
共感するものもあるのでしょう。
要は、他にすることがあるんじゃないの?
という本質のメッセージがあるように
思うんです。
漫談家が直接そんなメッセージを
伝えることはないでしょうが、
私自身、そんな気持ちで、
彼のお話を吸収しておりました。
自分がしていることに、
なんでそんなことしてるの…
他にすることあるんじゃねぇの?
って聞けるようになったら、
見えなかったものが見えるように
なるかもしれません。
【参考】
火車(宮部みゆき)