…そんなことはわかりきったことだと素通りすることがあります。これがこわいのです。

人間には、先入主観が
気づかぬうちに働きまして、

そんなことはわかりきったことだと
素通りすることがあります。
これがこわいのです。

(点と線、松本清張)

最近、9歳の娘が、
「分かってる、分かってる」を
連発するようになった。

それを真似て、2歳の娘も、
回らない口で、
「ワカッテル、ワカッテル」を連発する。

全然、わかっていない。

そもそも、この言葉を使いたがるのは、
その先を通行止めにしたいからでしょう…
心理的に難儀だとか、面倒だとかの理由で。

だから、
わかりきったことだと言うのは、
わかっていることしか考えていない証拠。

それは常識だ、という言葉も、
何か問題を解決してくれるんじゃなくて、
問題解決の思考を止めてしまうもの。

素通りは、もったいないことです。
気づくべきポイント、美しい風景、
癒しの場所、逃げ道、チャンス…

すべてに背中を向けてしまうわけですから。

経験は「宝」でありますが、
「先入観の親分」でもあります。
その出番を、うまく調整しないと、
せっかく育つはずの「経験の子分」に
出番が与えられません。

経験とのお付き合いは慎重に…

【参考】
コンサルティング能力(佐々木直彦)


モモ(ミヒャエル・エンデ)

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