お待ちよ。そう、おまえのように、かんたんに、…

お待ちよ。
そう、おまえのように、
かんたんに、
たれは悪人、たれは善人と、
色分けできるものではない。

(新・平家物語8、吉川英治)

白黒ハッキリさせたい。

そんな感情がもたげてくるのは、
この先ずっと、
誰が敵か、誰が味方かという判断を
今すぐしようとするからだと思う。

根本には、誰が善人か悪人かよりも、
誰が敵か味方か、という感情の方が
強いかもしれない。

ここまで書いてきて、
自分も、ちょっと苦笑である。

誰が役に立つか、
誰が役に立たないか、

誰が伸びるか、
誰が伸びないか、

誰が自分を愛してくれるか、
誰が自分を憎むか、

すべて同じ問いかけかもしれない。

現時点で、ある程度の判断は出来ても、
それが永遠に通じるものとは限らない。

戦国時代には、その時々の情勢に応じて、
あっちの味方になったり、
こっちの味方になったりという武将もいた。
それが生きる術だった…

「時を待つ」心理だった。

裏切りなどの心配を、
いつも勘定に入れておいたら、
誰とも友達なんかにはなれない。

自分でさえ、この先ずっと、
善人でいられるか、悪人でいられるか、
ハッキリ分からないと言うのに、
なにゆえ、他人のそれを決められる、
というのであろう。

じっと、自分を磨こう。
本当の「人を見る目」が育つまで…

【参考】
沈黙(村上春樹)


「原因」と「結果」の法則(ジェームズ・アレン)

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